2013年04月08日

森永泰弘氏 インドネシア滞在日記02 (2/3)

エンダ・ララス 
父親との思い出の場所でクロンチョンを収録

 ソロ滞在中に映画監督ガリン・ヌグロホに誘われ「オペラ・ジャワ」演劇版のリハーサルをソロのISIアーツセンター(ソロの芸術大学)で見学させてもらった。この演劇は映画よりもわかりやすい。ジャワ州の異なる地方の伝統舞踊や音楽が凝縮されており、映像では読み取れなかったジャワの伝統舞踊や音楽形式の違いが明確に理解することができる。彼はアーティストとしてもちろん尊敬できるがフィールド・ワーカーとしての彼のエネルギーはとんでもないほどの野心で満ちあふれている。まだまだ自分が未熟なんだと痛感した。

 今回の滞在で素晴らしいクロンチョンの歌い手と出会った。エンダ・ララス。彼女とも屋外レコーディングのセッションを行った。フィールド・レコーディングをする上で彼女にお願いしたことは、彼女の人生の中で最も思い出の詰まった場所で録音したいということであった。グンドノの時も同じである。屋外でやることの意味、音楽を演奏することの意味、そこにいるという存在意義を録音を通じてその時間と空間を採取する。そこには、録音家の思考や思想がきちんと明確に示されなければ何も意味がない。これだけ録音機が身近になった現在、やはりそのコンテクストとコンセプトを録音家側から提示しなければ良い作品、良い録音はできないと思っている。したがって、エンダとのレコーディング場所は亡くなった彼女の父親のオープン・スタジオで録音することになった。レコーディングは非常に良いものになったと思う。これも今年は出版物としてプロディースできるかと思っているので楽しみだ。生の彼女の歌声は次回のTo Belongで皆さんに聴かせることができると思う。日本のお客さんに彼女の歌声を届けることができると思うと興奮してしまう。

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 さて、ソロに滞在中、インドネシア国立放送局が設立した国営音楽レーベルのロカナンタ社を訪れた。ロカナンタ社はレコードをプレスする機械を売却してしまい製作はもう行っていないが、これまでのカタログをデジタル化するアーカイビングは行っている。既にカタログの95%のデジタイゼーションは終わっているとのこと。実際のアーカイビングの作業も見せてもらった。マスターテープから96kHz/24bitでデジタル化し、それをHDとCDRに保存しているというもの。インドネシアでは稀なRogersのスピーカーを使用していたり機材にもややこだわっているようだった。
posted by office A/LB at 02:48| 作品創作過程 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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